降圧薬の副作用

 薬は病気をなおすためのものですが、薬には病気をなおす作用のほかに副作用があるのが普通です。現在わが国で使われている降圧薬のうち副作用が全くないものは一つもありません。
 表には現在広く使われている主な降圧薬の副作用を、示しました。ループ利尿薬やサイアザイド利尿薬では血液中の尿酸が上昇し、痛風の原因となることがあります。また、血糖が上昇し、糖尿病になることもあります。また、光線過敏症となり、太陽に当たったところに発疹ができることがあります。カリウム保持性利尿薬では女性化乳房(男でも女のように乳房が大きくなること)や月経異常が起こります。ローウオルフィア薬では鼻づまりやうつ病、 胃潰瘍(かいよう)などが起こり、中枢作用薬では眠気や口の渇きが起こることがあります。
 このように降圧薬の副作用にはいろいろなものがありますが、副作用にはただ作用が強く出ただけのものもあり、薬の作用とは全く関係のないものもあります。たとえば利尿降圧薬の副作用として低カリウム血症が起こりますが、これは利尿作用のためです。また副作用として光線に対する過敏症のために発疹ができることがありますが、これは利尿作用とは関係がない副作用です。
 薬の副作用は薬をやめればなおるものが多いのですが、たまには薬をやめても後遺症が残ることもあります。薬は作用と副作用との兼ね合いで使うものです。そんなに効かないのに副作用ばかり出る薬は、使うことが許されていません。しかし効き目がよく、かけがえのない薬なら、少しぐらいの副作用が出ても使わなければならないことがあります。薬の副作用は使い方によって出たり出なかったりします。血圧をうまく下げて副作用も出ないような使い方が優れた使い方です。たとえば薬の副作用は使いはじめにでることが多いので、はじめはひんぱんに血液検査を行うことが必要です。また長く使っている場合でも、1年に2〜3回ぐらいは血液検査を行うことが必要です。薬の副作用には過敏症のように少量の使用でも起こるものがありますが、一般には少量使ったときよりも大量使ったときの方が起こりやすいものです。したがって副作用を少なくするためには、少量ずつの薬を何種類も組み合わせて使う方がいいのです。違ったものを組み合わせることによって作用が増強されますし、副作用が打ち消されることにもなります。

降圧薬の主な副作用
降 圧 薬 副 作 用
分  類

尿
ループ利尿薬 尿酸上昇、血糖上昇
カリウム低下、光線過敏症
サイアザイド利尿薬
カリウム保持性利尿薬 女性化乳房、月経異常




ローウォルフィア薬 鼻づまり、うつ病様症状、胃潰瘍
立ちくらみ、徐脈、性機能障害
中枢作用薬 眠気、口渇
β−遮断薬 徐脈、喘息、心不全
α−遮断薬 立ちくらみ




血管平滑筋弛緩薬 発疹、関節痛、頭痛、頻脈
カルシウム拮抗薬 顔面紅潮、頭痛、めまい
変換酵素阻害薬 発疹、発熱、味覚障害